閑田 冗 詩集

閑田 冗 詩集

ヤモリ

ヤモリ

 

時にはトースターの下に隠れて

時にはペットボトルの裏に隠れて

またある時には洗面所の隅に身を潜めて

 

けなげに

たくましく

追いやられても

しぶとく

命がけで生きている

たとえ尻尾を切り離しても

 

贅沢しているのは誰だ

毎日を必死に生きていないのは誰だ

へばりついてでも生きてみろ

 

網戸から彼に言われているようだ